貿易初心者が学ぶ!中国との貿易手続きまとめ
2015/05/24
photo byjacme31
私はアパレルメーカー勤務時代はMDをやっていました。
MDとはマーチャンダイザーの略で本来は企画をする仕事ですが、中小アパレルでのMDは企画・営業・生産・在庫管理に至るまですべて行っていました。
今回独立するに当たりその中の営業と生産が主な仕事になるのですが、今まであまりタッチしてこなかった貿易の知識も必要になってくるので少し勉強しました。
主にアパレル業界における中国とのL/C契約での貿易の手順になりますが、他の業界にも当てはまる所はあると思います。
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今回出てくる貿易に必要な書類一覧と簡単な意味
・契約書
商品売買契約の契約書になります。
契約書にはアイテム、単価、決済条件、銀行情報、ロス率などの契約に関するすべての情報が記載されています。
・L/C
L/Cとは日本語で信用状のことで、銀行が買い主の代わりに売主に対して確実に支払いをするということを確約する書類です。英語ではLetter of Credit、L/C(エルシー)と略します。
・P/L パッキングリスト
P/Lとは日本語で包装明細書のことで英語では Packing List、 P/Lと略します。貿易における書類の一つであり、梱包形態・個数・重量・容積等が記載されています。輸入通関時に使用される重要書類の一つです。
・B/L
B/Lとは日本語で船荷証券のことで、貿易における船積書類の一つ。船会社など運送業者が発行し、貨物の引き受けを証明し貨物受け取りの際の根拠となる。英語ではBill of Lading 、B/Lと略す。船積書類の中でも最も重要な書類です。
・I/V インボイス
I/Vは日本語で送り状のことであり英語ではInvoice(インボイス)とはなる。貿易取引においては最重要書類の一つです。
輸出貨物の品名・価格・数量・買主等が記載されているおり、明細書と請求書を兼ねる書類です。
・原産地証明書
原産地証明書とは、取引の対象となるものが、特定の国・特定の地域において生産、製造、または加工されたということを証明する書類です。
契約締結から輸入して納品までの貿易手続きの流れ
1.契約締結
契約の締結。契約書が発行され内容に合意し双方のサインがされたら契約の締結になります。
2.L/C開設
日本側の銀行においてL/Cを開設します。
3.船積み依頼
現地の乙仲に船積み依頼をします。
4.船積み予約
船会社へ船積み予約をします。
5.B/L発行
輸出が完了したらB/Lが発行されます
6.L/C買取
現地の銀行にB/L・I/V・P/L・原産地証明書・検品報告書等を提出します
7.L/C請求
上記6の書類が現地の銀行から日本側のL/C開設銀行に
8.L/C支払
日本側の銀行に荷主が代金を支払います
9.B/L受取
日本側の銀行から荷主が6の書類を受け取ります
10.通関依頼
9の書類を荷主から通関業者へ提示します
11.貨物納品
通関許可後に指定の場所へ納品します。
以上が契約締結から納品までのすべての流れになります。
中国との貿易の場合、SHIPしてから約2~3日で日本側に貨物が到着してしまうため輸出後の5から通関依頼を行う10までを非常に短い期間で行わなければなりません。
その為中国との貿易関しては距離・信頼関係を考慮して「サレンダー(元地回収)B/L」を利用できます。
サレンダー(元地回収)B/L
サレンダー(元地回収)B/Lとは上記フローで言う5~9と商品代金の支払いをしなくても全ての書類をコピーによって通関、引き取りが出来ることです。
リスクとしては、輸出側は商品代金を回収する前に貨物を荷主に引き渡すことになることが挙げられます。
サレンダーBLにより中国とは非常にスムーズに貿易が行えます。
逆に言うと今トレンドとなっている中国以外のアセアンとの貿易についてはサレンダー(元地回収)B/Lは活用できないので注意が必要です。
おわりに
これまで目を背けてきた貿易関連の基本ですが、これまでいかに上辺だけで仕事をしてきたか痛感しました。
「L/C開設」や「B/Lを早く回収しないと」をいった断片的なやり取りは行っていましたが、基本ほとんどを貿易部や経理に丸投げしていました。
これを機にもう少し深く貿易を学んでいきたいと思います。