個人事業主の屋号無し銀行口座はどこで開設するべきか
2015/05/23
photo byHoward Lake
個人事業主となる際に、多くの方は営業性銀行口座を個人の口座とは別途開設することになると思います。
私はその際屋号は登録せずに名前だけでの口座開設をしましたので、その時の口座開設銀行の選択のポイントをまとめました。
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屋号登録するメリット
個人事業主が銀行口座を屋号入りで開設する最大のメリットは「信用」です。
特に一般の顧客やある程度大きな企業と取引するには口座に屋号が入っていたほうが「信用」といった面では多少大きくなるとは思います。
また、本名を伏せることが出来るのでその点でも一般顧客との取引は安心感を持てるとは思います。
では、なぜ私は屋号入りの必要がなかったのかというと
1.取引先はある程度固定されている
2.業務委託契約を結んでいるため最終顧客からの入金は業務委託先にされる
といった2点からです。
つまり直接お金を入金してもらう顧客が限定されているので、口座名義での信用や本名を伏せるといった必要が当面はありませんでした。
屋号登録「無し」と「有り」の手続きの違い
手続きの違いは大きくは以下になります
屋号無し
- 窓口、ネットでの申し込み、郵送などさまざまな方法での開設可能
- どの支店の口座も開設可能
- 初回来店時に口座開設が可能
- 開業届は必要ない
屋号有り
- 窓口のみの受付
- 自宅や事務所から最も近い支店の口座しか開設できない
- 開設までに1週間程度かかる場合もあり
- 開業届の提出が必須
上記から分かる通り、屋号無しの口座開設は個人で口座開設する場合となんら変わりありません。
一方、屋号有りの場合はそれなりの準備と時間が必要になります。
屋号無し口座開設銀行を選ぶ基準
上記点から屋号無しの場合基本的にはどの銀行のどの支店での口座開設でも出来るため、どこでもいいとも言えます。
ただし、将来的なことやその他サービスから考え私は以下の基準で銀行を選びました。
選択の基準
1.将来的な融資の可能性
将来的に融資を受ける必要がある場合メガバンクよりは地方銀行や信金の方が融資を受けやすいです。
また、普段からそういった地方銀行と付き合いを持っておけば融資の相談や手数料の交渉など話をしやすくなります。
2.インターネットバンクに対応しているか
私は確定申告用の会計ソフトはMFクラウドを使用しているためインターネットバンクを利用すれば取引の自動取得ができます。
また、出入金の管理等もネット上で行えるため銀行に行く手間も省けます。
3.海外からの送金受け取りがスムーズにいくか
私は海外企業との業務委託契約を結んでいるため外貨の受け取りの際の手数料や入金までの日数が非常に重要になります。
もし今は必要なくても将来的に海外との取引をする可能性があるのであれば検討の必要があります。
参考 海外から日本へ送金して入金までの日数を銀行別に調べてみた | アパレル起業開拓記
4.急な用事が出来た際支店は事業拠点の近くにあるか
口座開設した視点でしか行えない手続きもありますので、拠点からできるだけ近くに支店があることはとても重要です。
また、将来的に屋号の登録をする必要が発生する可能性も踏まえ、拠点から一番近い支店での口座開設がベストです。
最終的な選択の条件
上記点から楽天銀行や住信SBIネット銀行といったネット銀行は候補から除外しました。
これは将来的な融資の件と、海外からの送金受け取りに時間がかかる場合があるという理由です。
また、いわゆるメガバンクも候補から除外しました。
私の住む名古屋の郊外では三菱東京UFJは多く支店がありますが、みずほやりそなといった銀行は都心部に行かないと支店が無いという点と実績の少ない個人事業主や法人への融資のハードルが高いという点です。
そこで私の選択した銀行の条件は、「支店が近くにある地方銀行で、且つインターネットバンクに対応しており海外からの送金受け取りもスムーズである」銀行ということになりました。
おわりに
以上が私が屋号無しの営業性口座開設銀行の選択のポイントです。
銀行にもよるとは思いますが、ネットバンクに登録しようとすると法人・個人事業主向けの登録を勧められ、その場合月額料金が発生します。
個人向けであれば無料で利用できる銀行がほとんどのためこれは痛手です。
また、開業届も必要となってくるので注意が必要です。