[衣料品生産]数ある国の中でカンボジアを選んだ理由
photo byCharles Pieters
私の今メインの仕事としては、カンボジアの衣料品自社工場ラインを主軸とした生産請負の営業です。
では、なぜ数あるアセアンの特恵関税対象国の中でカンボジアを選択したのか。
今回はその理由をまとめていきたいと思います。
アセアン各国のオーダーしてみた感想は以下記事になります。
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メリット・デメリット
メリット
・中国と仲がいい
・縫製業以外の他産業があまり発展しておらず人の確保が容易
・まじめな国民性
・最低賃金
デメリット
・国内での素材調達が不可能
・附属の手配も不可能
・決して安くはない
それでは順番に見ていきます。
メリット
・中国と仲がいい
最大の理由がここになります。
中国と比較的仲が良いため、中国企業が数多く進出しています。また、華僑も多いです。
そのためこれまで中国で付き合いのあった大手公司が進出していればその公司の背景でチャレンジできます。
デメリットの部分にもあるように素材・附属の手配が自国内でできないので中国企業と組んで中国で素材・附属手配してカンボジアに送り込むという仕組みが作りやすくなります。
・縫製業以外の他産業があまり発展しておらず人の確保が容易
カンボジアの人口は約1600万人と他のアセアン各国に比べると少ないですが、実際工場運営してみると思ったほど人員確保で悩むことはありません。
これはカンボジア自体、例えばIT産業等のような他産業があまり発展していないため縫製業にも人が集まりやすいという背景があります。
・まじめな国民性
これは感覚的な話になりますが、非常にまじめで素直です。
教育は十分に行き届いていないため初めの教育は大変ですが、指示したことを誤魔化すことなくまじめにこなそうと行動します。
・最低賃金
2015年時点で縫製業に関しては$128で、実質給料は残業込みでで$150~$180位となります。
中国に比べれば約50%位となるため人件費は安く抑えられます。
デメリット
・国内での素材調達が不可能
素材については国内での調達は不可能です。
ここがバングラやタイ、ベトナムとの大きな違いになります。
2015.3月までは中国からの生地送りでは布帛のみが特恵関税対象でしたが2015.4月よりニット素材も特恵関税対象になりました。
それまではニットな関してはベトナムやタイからの生地送りとなるため素材の幅が広がりませんでしたが今は中国生産可能なのでどの素材でも対応することができます。
しかし生地値自体は中国手配すれば当然中国プライスになるため製品のうち生地値が大半を占めるようなアイテムはメリット出しづらくなる傾向があります。
・附属の手配も不可能
上記素材同様附属屋もまだまだ進出できていないため、手配は基本中国等他の国からとなるため貿易経費かかってきます。
・決して安くはない
メリットであったように人件費は安くなりますが、生産性はは中国に比べればまだまだ少なく、例え人件費が50%となっても上がり数量が中国に比べ50%以下であればトータルコストは決して安くなりません。
おわりに
上記メリットデメリットのような状況のため、ある程度仕組みの部分は整備されてきていますが中国に比べてのコストメリットは人件費の割には出てきません。
ただし、中国はこれからコスト上がっていく一方ですがカンボジアについては生産性さえ上がってこればコストダウンできる可能性が大いにあるため、今は将来への投資的な面が大きいですが継続するメリットはあると思います。